特集 こんなときどうする?他科とのコミュニケーションガイド
(第7章)整形外科・老年内科 妊婦の整形外科疾患 腰痛の対応と分娩時の諸注意を中心に
久野木 順一
1
,
笠井 靖代
1日本赤十字社医療センター 脊椎整形外科
キーワード:
筋骨格系疾患
,
鑑別診断
,
椎間板ヘルニア
,
妊娠合併症
,
分娩
,
麻痺
,
腰痛
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Labor, Obstetric
,
Musculoskeletal Diseases
,
Low Back Pain
,
Paralysis
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Pregnancy Complications
pp.300-305
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022140471
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<産婦人科医におさえてほしいポイント>妊婦の腰痛をケアするうえで大切なことは、多くの妊婦が腰痛を自覚し、何らかの日常生活動作の制限を受けることを産婦人科医が理解し、訴えを丁寧に傾聴すること、さらに多くの腰痛は日常生活動作、姿勢の指導と簡単な骨盤支持ベルト装着で軽快することを説明し、安心感を与えることである。骨盤輪の不安定性を伴う腰痛では、骨盤支持ベルト装着、ロールタオル療法、仙腸関節周囲靱帯ブロックで対応する。高度麻痺や疼痛が管理できない脊椎疾患合併例では、胎児への安全性について検討したうえで妊娠時期に応じて、脊椎手術が行われることがあり、妊娠後期では予定帝王切開術ののちに整形外科治療が検討される。妊婦の担癌患者における脊椎転移等の重篤な脊椎疾患合併例では産婦人科医、新生児科医、外科医、整形外科医、麻酔科医を含めた腫瘍カンファレンスをもち、多面的な検討が求められる。
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