特集 感染症の発熱とその治療―患者背景からの診断・治療のコツ
◉入院患者における感染症の発熱と治療
⑤消化器外科手術後患者
丸山 弘
1
,
吉田 寛
2
1日本医科大学多摩永山病院 外科 講師
2日本医科大学付属病院 消化器外科 教授
キーワード:
腸内細菌
,
Surgical Site Infection(SSI)
,
遠隔部位感染症
,
消化器外科手術
Keyword:
腸内細菌
,
Surgical Site Infection(SSI)
,
遠隔部位感染症
,
消化器外科手術
pp.60-65
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000101
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Summary
消化器外科手術の術後感染症の多くは内因性感染であるSSIが多い。手術部位や術式によりSSIの発症率や病態は違う。その理由は,腸内細菌の菌種と菌量や,手術の特性により違いがあるためである。食道手術は侵襲が大きく術後感染性合併症が多い。胃手術ではSSIの発症率は低くグラム陽性球菌が主である。肝臓手術や膵臓手術ではE. cloacaeやEnterococcus sp.が起炎菌となり,これらは薬剤感受性が低く抗菌薬治療において問題となる。大腸手術では菌種と菌量共に多く,感染症発症時にはアンチバイオグラムが有用である。遠隔部位感染も少ないが発症していることが報告されている。
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