特集2 外来のための性感染症治療の指針
◉外来における性感染症治療の基本と実践
②淋菌感染症
濵砂 良一
1
1国家公務員共済組合連合会 新小倉病院 泌尿器科 部長
キーワード:
淋菌感染症
,
耐性
,
セフトリアキソン(CTRX)
,
尿道炎
Keyword:
淋菌感染症
,
耐性
,
セフトリアキソン(CTRX)
,
尿道炎
pp.193-199
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000058
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)は主に男性では尿道炎を,女性では子宮頸管炎を引き起こす。尿道炎の主症状は尿道痛,膿性分泌物で,子宮頸管炎の主症状は膣からの膿性分泌物や陰部の悪臭であるが,女性では無症状であることも多い。咽頭に高い確率で感染することが知られており,性器の感染症であっても咽頭感染にも留意した治療が必要となる。淋菌の薬剤耐性は著しく,ベンジルペニシリン,経口セファロスポリン系薬,ニューキノロン系薬,テトラサイクリン系薬,マクロライド系薬に対する耐性率は高い。第一選択薬はセフトリアキソン1gの(点滴)静注であるが,セフトリアキソン耐性株が出現し,今後,治療が困難となる可能性がある。
Copyright © 2019, Van Medical co., Ltd. All rights reserved.