特集 小児における抗菌薬適正使用―最新の考え方からのアプローチ
◉小児における抗菌薬の選び方・使い方―病態・治療・予防の実際
④マイコプラズマ肺炎
柏木 保代
1
,
河島 尚志
2
,
渡邊 秀裕
3
1東京医科大学 小児科・思春期科学分野 准教授
2東京医科大学 小児科・思春期科学分野 主任教授
3東京医科大学病院 感染制御部 部長/教授
キーワード:
マイコプラズマ肺炎
,
マクロライド系薬
,
耐性化
,
A2063G
Keyword:
マイコプラズマ肺炎
,
マクロライド系薬
,
耐性化
,
A2063G
pp.132-137
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000040
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
マイコプラズマ肺炎の初期治療としてマクロライド系薬を投与することが推奨されているが,2000年以降マクロライド耐性マイコプラズマが検出された。耐性機序は23SリボソームRNAのドメインVの点変異でマクロライドの作用点の変化により親和性が低下したためである。A2063Gと呼ばれる変異菌が最も多い。
耐性菌優位の状況は必ずしも恒常的に維持されている現象ではなく,また耐性率には大きな地域差が見られている。耐性菌の主体となっているA2063Gという変異菌を新たに産生させないような抗菌薬の選択が望まれる。
Copyright © 2019, Van Medical co., Ltd. All rights reserved.