特集 小児における抗菌薬適正使用―最新の考え方からのアプローチ
◉小児における抗菌薬の選び方・使い方―病態・治療・予防の実際
③百日咳
齋藤 昭彦
1
1新潟大学大学院 医歯学総合研究科 小児科学分野 教授
キーワード:
百日咳
,
小児
,
マクロライド
,
予防
,
ワクチン
Keyword:
百日咳
,
小児
,
マクロライド
,
予防
,
ワクチン
pp.126-131
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000039
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Summary
百日咳は,百日咳菌による呼吸器感染症であり,ワクチンで予防できる病気である。ワクチン接種が進んでいるにも関わらず,世界全体で患者数が増加しており,重要な再興感染症として位置付けられている。最も大きな問題は,感染した新生児,乳児であり,無呼吸,肺炎,脳症,肺高血圧症などをきたし,予後が悪く,死亡することもある。百日咳に有効な抗菌薬は,マクロライド系薬剤で,カタル症状のある病初期に投与すると症状を軽減するが,いわゆる典型的な咳の出現する痙咳期における抗菌薬の投与は,周囲への伝播を防ぐだけである。最新の国内の疫学データでは,学童での症例が圧倒的に多く,就学前のワクチン接種の普及が急務である。
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