最新知見で挑むMRSA対策
■MRSA情報のアップデート❸日本化学療法学会・日本感染症学会「MRSA感染症の診療ガイドライン2024」の要点
吉田 耕一郎
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1近畿大学病院安全管理センター感染対策部 教授・部長
pp.265-270
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000582
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2013年に「MRSA感染症の治療ガイドライン」第一版が公表されてから12年が経過した。本ガイドラインは日本化学療法学会と日本感染症学会が合同で作成してきたものであり,新規薬剤の臨床現場への導入や,市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の増加などの疫学的な変化に対応するため改訂を重ね,2024年に4回目の改訂版が公表された。「MRSA感染症の診療ガイドライン2024」ではMRSA感染症に対する最適な治療に加え,検査・診断の重要性を強調し,「治療ガイドライン」から「診療ガイドライン」へ名称が変更された。また,13項目のクリニカル・クエスチョン(CQ)を設定し,システマティックレビューとメタ解析の結果に基づいた推奨がなされた点は2024年版の大きな変更点である。

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