Special feature 新型コロナを経て見直す 隔離予防策—手指衛生と接触予防策
■環境整備 ❶耐性菌対策としての紫外線照射の導入と運用
金森 肇
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系感染症科学・臨床検査医学研究分野 教授
pp.189-193
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000485
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汚染された病室環境表面や医療器具は薬剤耐性菌伝播の媒介物であり,コロナ後の医療環境制御が益々重要視されている。病室環境表面におけるバイオバーデン(環境表面上に存在する生育可能な微生物数)を減少させるため,紫外線照射装置などの環境制御技術が医療機関において臨床応用されている。コロナ禍で退院時清掃において紫外線照射装置を導入する日本の医療施設数は増加した。環境清掃・消毒で十分に清拭することができなかった場合,病室環境表面には薬剤耐性菌が残存しうるが,紫外線照射装置等を用いた環境消毒の強化により薬剤耐性菌を減少させることで,次に病室を利用する別の患者に安全な療養環境の提供に寄与する。本稿では,薬剤耐性菌対策における紫外線照射装置の役割,実際の紫外線照射装置の導入と運用について考えてみたい。
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