Special feature 耐性菌の最新動向・感染対策とAST
■抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の役割
❷薬剤師の立場から
植田 貴史
1
1兵庫医科大学病院感染制御部 薬剤師/感染制御学 助教
pp.283-289
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000428
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2007年に米国感染症学会と米国医療疫学学会からantimicrobial stewardship(抗菌薬適正使用支援:ASP)が発表された。ASPは抗菌薬の適正使用を推進し,耐性菌の出現防止や副作用予防,さらに治療効果を高めることを目標としている。日本国内でも,平成30年度診療報酬改定に抗菌薬適正使用支援加算が創設され,ASPの実践が推奨されている。2017年に策定された8学会合同の抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンスでは,抗菌薬適正使用支援チーム(antimicrobial stewardship team:AST)の組織体制づくりに関して,感染症・感染制御の専門知識を有する医師や薬剤師が中心となってASTを組織することが推奨されている。日本では医師の専従施設も少なく,AST活動において薬剤師が担う役割は大きいとされている。本稿では,ASTにおける薬剤師の役割を,兵庫医科大学病院(以下:当院)での活動を基に説明する。
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