Special feature コロナ禍で浮き彫りとなった高齢者施設・精神科病院の感染対策
■高齢者施設の感染対策
❻手指衛生遵守率向上の取り組み―急性期病院に勤務する感染管理担当者の介入
浅野 美奈子
1
,
小林 理絵
2
1社会医療法人河北医療財団河北総合病院安全・感染管理部感染管理科 感染管理特定認定看護師
2社会医療法人河北医療財団河北総合病院安全・感染管理部感染管理科 感染管理担当科長
pp.189-195
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000405
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新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)の流行によって,全国の医療機関,学校,障害者福祉施設等でクラスターが発生した。高齢者施設も同様に,様々な規模のクラスターを経験している。この経験から,クラスターが発生しないよう,予防的に平時から取り組む感染対策の重要性がより高まっている。高齢者施設内で過ごす多くの高齢者は,複数の既往症を抱えていることが多く,易感染性であると同時に,罹患した場合,重症化リスクが高いと言われている。厚生労働省がまとめていた報告では,オミクロン株が主体となり,重症化や死亡する割合は,以前と比べ低下しているとあるが,30歳代と比較した場合の各年代の重症化率は,高齢になるほどリスクが高くなると報告されている。COVID-19が2023年5月8日から感染症法の類型が5類へと位置づけが変更になったが,ウイルスの感染性に変化があるものではない。そのため,引き続き急性期医療機関や“高齢者施設内”で従事する職員は,感染対策の基本となる標準予防策を実践していくことが求められる。
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