Special feature 物・人・事から組織まで総力で臨む手指衛生戦略
■Actual JCI認証施設に学ぶ手指衛生向上・維持の戦略
❷救急外来・集中治療室の手指衛生遵守率向上の取り組み
石塚 孝子
1
1医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院 感染管理室 看護師長 感染管理認定看護師
pp.156-161
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000310
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手指衛生はすべての感染対策の基本であり,簡便な行為だが感染制御に一番大きな役割を果たしている。手指衛生を適切に実施することで,医療関連感染を減少させることができるが,すべての人々が適切に実施することは容易ではない。札幌東徳洲会病院(当院)では1990年代から感染管理活動が組織的に開始され,感染制御チーム(ICT)は「一処置一手洗い」,「病室に入る前には手洗いする」などの表現で手指衛生の啓発活動を行っていた。手指衛生の啓発活動を見直すきっかけになったのは,2011年感染管理に関する第三者評価を受審した際に,巡回時に「多くの医療従事者が手指衛生を実施していず,改善に取り組む必要がある」とサーベイヤーから指摘を受けたことだった。この指摘は自分達の啓発活動が有効ではないという評価でもあり,これを機に当院では世界保健機関(WHO)「5つのタイミング」の実施に向けて取り組んでいる。
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