Special feature 確実な供給のための最良の再生処理・単回使用
■Focus 最良の内視鏡の再生処理・単回使用
❶消化器内視鏡における感染対策,本邦における歩みと課題
佐藤 公
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構山梨病院 院長
pp.225-229
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000327
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本邦で消化器内視鏡における感染対策が注目される契機となったのは,1990年前後から内視鏡検査後に発生する急性胃粘膜病変(図1)の報告が増加し,その病態が内視鏡を介したヘリコバクター・ピロリの急性感染であることが諸家の研究により明らかにされたことである。海外では内視鏡を介した感染への懸念から1980年代後半には感染対策ガイドラインが公表されていたが,本邦では1995年に日本消化器内視鏡学会甲信越支部から本邦初となる内視鏡消毒法ガイドラインが公表された。当時実施したアンケート調査によれば,検査毎の用手洗浄に加えて自動洗浄消毒装置や洗剤を用いることで,発症率は半減することが確認されたが,これだけでは完全に発生を防ぐことはできず,用手洗浄に加えて検査毎のブラッシングと高水準消毒を行うことにより,内視鏡後急性胃粘膜病変は予防できることが明らかとなった(図2)。1998年には日本消化器内視鏡学会からガイドラインが策定され,2008年には日本環境感染学会,日本消化器内視鏡学会,日本消化器内視鏡技師会による「消化器内視鏡の洗浄・消毒マルチソサエティガイドライン」が発表され,その後も内外の学会で改訂が続いている。
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