特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める
【抗菌薬選択クイズⅠ】“消去法”で絞り込む抗菌薬選択
❹尿路感染症
髙橋 聡
1
1札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査医学
キーワード:
大腸菌
,
キノロン耐性
,
尿培養
Keyword:
大腸菌
,
キノロン耐性
,
尿培養
pp.790-793
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204357
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尿路感染症の適正な治療は、「複雑性尿路感染症」と「単純性尿路感染症」で異なる。原因となる菌種は主として「大腸菌」であることは共通だが、単純性尿路感染症では比較的抗菌薬感受性が良好であり、複雑性尿路感染症では「耐性菌」を想定しなくてはならない。単純性尿路感染症では、万が一、初期治療薬が原因菌の感受性試験で耐性菌であったとしても、治療不成功とならなかったり、適切な抗菌薬への変更により対応可能である。しかし複雑性尿路感染症、特に重症化した「有熱性尿路感染症」では、初期治療薬の選択によっては全く無効であったり難治化する場合がある。
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