Special feature 感染対策成功のための皮膚の清潔・健康管理
■医療従事者の手指の清潔・健康管理
❹感染対策とハンドケア
-―日本の現状・課題,そして今後の展望
坂木 晴世
1
1国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科看護学分野 准教授 感染管理認定看護師/感染症看護専門看護師
pp.324-328
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000351
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損傷のない皮膚は,第一の感染防御ラインである。しかし,医療従事者には手荒れ(手湿疹)を有する者が少なくない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって,医療従事者には手荒れのパンデミックが発生したと報告されている。手荒れがあると,Staphylococcus hominisやStaphylococcus haemolyticusなどが定着しやすく,手荒れが関与したアウトブレイクが報告されている。また,手荒れによる皮膚のバリア機能の破綻により,医療従事者本人にとっては微生物曝露時の感染リスクが高くなる。手荒れは手指衛生の遵守を妨げる要因でもあり,感染対策として手指衛生を推進するうえで,手荒れ対策は避けて通ることはできない。
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