Special feature 実践力を強化 標準予防策のトレンド
■Detailed 各論でみる標準予防策のトレンド―最新知見と実践テクニック
❸個人防護具(PPE)の使用
川西 史子
1
1大阪医科大学附属病院 感染対策室 看護師長 感染管理認定看護師
pp.23-29
発行日 2021年1月25日
Published Date 2021/1/25
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000203
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標準予防策とは血液,体液,分泌物,汗を除く排泄物,傷のある皮膚,粘膜には,感染性病原体が含まれる可能性があるとして,感染の有無に関わらず,すべての患者を対象に実施される感染予防策である。個人防護具(PPE:Personal Protective Equipment)の使用は手指衛生や咳エチケットなどとともに標準予防策の具体策として重要な項目である。標準予防策は米国疾病管理予防センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)が『隔離予防策のためのCDCガイドライン』2)で提唱した考え方と予防策である。この考え方と予防策は,米国だけでなく日本においても『医療機関における院内感染対策マニュアル作成のための手引き(案)』で標準予防策の項目を設け,個人防護具の使用について,標準予防策の実施として「医療環境では,すべての患者との接触に対して,手指衛生,手袋,ガウン,マスク・ゴーグル,鋭利器材の取り扱いを標準予防策に則り適切に実施する」とある。また,平成26年12月19日厚生労働省医政局地域医療計画課長から出された『医療機関における院内感染対策について』の通知では,「標準予防策とは全ての患者に対して感染予防策のために行う予防策のことを指し,手洗い,手袋・マスクの着用等が含まれる。」とある。このように日本においても,標準予防策の考え方は医療の現場においては当たり前のこととして定着し,標準予防策の考え方に基づいた具体策の実施が求められている。
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