Special feature 医療従事者を守る職業感染制御の再点検
■個人防護具の使用 ❶個人防護具の着脱時のポイント
小美野 勝
1
1社会福祉法人恩賜財団済生会支部埼玉県済生会加須病院感染対策室 副看護部長 感染管理認定看護師
pp.107-112
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000464
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職業感染を予防するうえで,標準予防策を徹底することが重要である。標準予防策とは,感染性の有無に関わらず全ての人に対して,標準的に用いる重要かつ基本的な感染防止対策であり,手指衛生や個人防護具(personal protective equipment:以下PPE)をはじめとする10項目の具体策があげられている(表1)。感染源になりうるものとして,血液,体液,汗を除く分泌物,排泄物,傷のある皮膚,粘膜があげられ,これらの湿性生体物質との接触が予想される場合には,PPEを適切に選択・使用する必要がある。新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)やインフルエンザをはじめとして,多くのウイルス感染症は発症前からウイルスを排出している(表2)。ヒトから排出される微細な湿性生体物質の曝露は自覚できないことが多いため,曝露することを想定してPPEを選択・使用しなければならない。
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