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入院時の感染対策
久留米大学病院(当院)では,2010年から2011年にかけての高度救命救急センター(救命センター)におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus:MRSA)のアウトブレイク事例を契機に1),耐性菌の早期発見および早期介入のシステムを検討してきた。耐性菌の早期発見には積極的監視培養(Active Surveillance Culture:ASC)が有効である2-4)。しかしASC実施場所と内容については,各医療施設で患者の背景や地域の流行状況で異なる。当院では耐性菌の持ち込み対策として,重症度の高い患者において侵襲的処置が多い部署を対象とし,救命センターやSurgical Intensive Care Unit(SICU),Neonatal Intensive Care Unit(NICU)でASCを実施している。
当院のASC実施部署は,入院時に鼻腔および便の細菌培養検査を必須としている(入院直後の検体採取が困難であれば72時間以内に採取)。対象の耐性菌はMRSA,基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(Extended-Spectrum β-Lactamase:ESBL)産生菌,多剤耐性緑膿菌(Multidrug Resistant Pseudomonas aeruginosa:MDRP),多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(Multiple Drug Resistant Acinetobacter baumannii:MDRAB),カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(Carbapenem-Resistant Enterobacteriaceae:CRE)の5菌種である。
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