Special feature CDI・ノロウイルス感染症との戦い方 腸管感染予防策
■Scene 腸管感染予防策の最前線―アウトブレイク事例に学ぶ発見から対処までの実際
❶一般外来・クリニック
小渕 俊子
1
,
荻原 貴之
2
1群馬大学医学部附属病院 看護部 感染管理認定看護師
2群馬県済生会前橋病院 内分泌・糖尿病内科 代表部長
pp.58-63
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000019
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はじめに
Clostridium(Clostridioides)difficile感染症やノロウイルス感染症などの腸管感染症は,感染力が強く,一度アウトブレイクを起こすと終息するまでに時間や労力を要する感染症である。有症患者の対応の際に対応者が二次感染を受けることもあることから,これらの病原微生物によって汚染された場所や共有のトイレなどの環境から集団感染を起こす可能性があり,アウトブレイクの防止には環境衛生管理が重要である。一方,アウトブレイク時の対応としては,感染源および感染経路を直ちに遮断する対策を開始することが重要である。
一般外来やクリニックなど多数の人が出入りする場所では,医療従事者だけでなく事務職員や委託職員を含めたスタッフへの感染対策の教育を行い,さらに患者に対しての感染対策の教育を行うことが大切である。日頃から環境衛生管理に努め,患者に対してもわかり易い感染対策に関する掲示を行う必要がある。
以下に一般外来やクリニックの感染対策上全般の特徴や問題点ならびに対策をまとめた。
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