Special feature コロナ渦の感染経路別予防策のニューノーマル
■Scene 現場別にみる感染経路別予防策のニューノーマル―感染リスクと感染対策の実際
❶救急外来
椎野 泰和
1
1川崎医科大学 救急医学 特任教授/川崎医科大学附属病院 救急科 部長
pp.230-235
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000248
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救急外来部門には,様々な患者やその家族,多くの医療従事者が短時間の間に出入りするだけでなく,諸外国からの帰国者,来日旅行者などにより世界中から感染性疾患が持ち込まれる恐れがある。実際に2015年の韓国におけるMERS(中東呼吸器症候群)の流行の際には,救急外来に長時間滞在をした患者から多くの患者,医療従事者へと感染が拡大した。このため,コロナ禍以前より救急外来部門における感染対策の重要性が認識されてはいたものの,その特殊性や緊急処置が多いこと,多くの職種が入れ替わり立ち替わり出入りするため共通認識を持ちづらいことなどから,十分な感染対策が行われているとは言えない状況が続いていた。2020年にはその状況に一石を投じるべく,日本救急医学会,日本感染症学会,日本環境感染学会,日本臨床救急医学会,日本臨床微生物学会 の5学会連携で『救急外来部門における感染対策チェックリスト』が発表されてた。
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