特集 一歩先を目指して再評価 これからのMRSA感染対策
MRSA感染対策の最新エビデンス 標準予防策と接触予防策のバランス 海外での考え方を含めて
藤木 くに子
1
1北里大学東病院 感染管理室
キーワード:
皮膚感染症-ブドウ球菌性
,
世界保健機関
,
ユニバーサルプリコーション
,
感染予防管理
,
現職教育
,
ガイドラインの遵守
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
手指衛生
Keyword:
Inservice Training
,
Staphylococcal Skin Infections
,
World Health Organization
,
Universal Precautions
,
Infection Control
,
Guideline Adherence
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
,
Hand Hygiene
pp.289-293
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2019061879
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
感染対策は2004年に米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Pre-vention:CDC)の隔離予防策が公開されるまでは,病院内感染(Nosocomial Infection)として病院感染対策に主眼が置かれていた。しかし,近年多くの患者が急性期病院から中・長期型病院へ,療養型病院さらに療養施設や在宅へと医療やケアの環境が大きく変化してきている。そこで,病院感染に限定しない感染対策が求められる様になり,病院内感染から医療関連感染(Healthcare-Associated In-fection:HAI)と改められた。
感染対策は多くの病院や施設において,『CDCの隔離予防策ガイドライン』における標準予防策や感染経路別予防策を取り入れて実施している。それ自体は決して新しいことではない。しかし,標準予防策一つとっても理解し行動に移すことは容易でなく,できていると思っても大きな落とし穴があり,思いもしないところからアウトブレイクが発生しているのが現状である。
今回のテーマである「これからのMRSA感染対策」を述べるにあたり,筆者自身が実際に経験してきた事例を踏まえ,標準予防策と接触予防策のバランスについて述べたいと思う。
Copyright(C) 2018 Van Medical co., Ltd. All rights reserved.