Special feature CDI・ノロウイルス感染症との戦い方 腸管感染予防策
■Basic 腸管感染予防策における行動規範
❶隔離予防策
-―隔離・解除の基準と現実的な隔離の方策
若松 由紀子
1
1鶴岡市立荘内病院 医療安全管理部 看護主査 感染管理認定看護師
pp.7-13
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000011
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はじめに
Clostridium(Clostridioides)difficile感染症(CDI)およびノロウイルス感染症は,嘔吐や下痢を主訴として突然発症する。これらは,手指や環境表面などを介して容易に伝播し,時に大規模なアウトブレイクを引き起こす。
これらの病原体の伝播を防止するためには,特有の性質や特徴の理解,標準予防策と徹底した接触予防策が重要となる。具体的には,タイミングのよい手指衛生や個人防護具の脱着,物品の個別管理,環境の清浄化に加え,「個室隔離」が推奨されている1)。しかし,多くの医療機関においては,感染対策のために使用できる個室が少ない,高齢や認知症のため個室での対応は難しい等々,感染症患者をどう配置したらよいか悩む場合が多くある。
本稿では,CDIおよびノロウイルス感染症に対する隔離と解除に焦点をあて,現場の実状に合わせた効果的かつ安全な「患者配置」を中心に,鶴岡市立荘内病院(当院)での経験や方針を紹介しながら解説する。
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