特集 一歩先を目指して再評価 これからのMRSA感染対策
一般病棟に必要なMRSA感染対策のレベルとは? 「効果のある最小限」の方策を求めて
塚田 真弓
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1東邦大学医療センター大森病院 感染制御部
キーワード:
機器と資材用品
,
院内感染
,
ブドウ球菌感染症
,
医療記録システム
,
ユニバーサルプリコーション
,
感染予防管理
,
感染症伝播
,
保健医療施設環境
,
情報流通
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
Keyword:
Equipment and Supplies
,
Cross Infection
,
Health Facility Environment
,
Staphylococcal Infections
,
Universal Precautions
,
Medical Records Systems, Computerized
,
Infection Control
,
Disease Transmission, Infectious
,
Information Dissemination
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
pp.342-346
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2019061888
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はじめに
平成30年度診療報酬点数の一般病棟入院基本料は入院期間に応じ,14日以内では1日につき450点,15日以上30日以内の期間192点1)になっており,どの医療機関においても入院期間の短縮を目指している時代である。短期入院により,感染伝播を受ける機会は少なくなり,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に関しても保菌や感染になることは減少するはずである。厚生労働省の院内感染対策サーベイランス(JANIS)検査部門の結果によると,黄色ブドウ球菌におけるMRSAの割合が,2012年53.0%⇒2016年47.7%と減少傾向を示している2)。
一方,一般病棟での入院期間は短くなってきているが,退院後に自宅ではなく長期療養型施設へ転院する患者もおり,集団生活によりMRSAが伝播する恐れが増加しているのではないだろうか。MRSAの伝播を受けた患者の状態の悪化により,再度一般病棟に入院してくる可能性がある。このように地域との連携が必要不可欠な時代となった今では,MRSAの感染対策においても自施設だけではなく,地域とともに取り組む必要がある。
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