特集 救急でも抜かりなく 感染対策エマージェンシー
救急医療における微生物検査の重要性 薬剤耐性菌動向を含めて
樫山 誠也
1
,
志馬 伸朗
,
大毛 宏喜
1広島大学病院 診療支援部感染症検査部門
キーワード:
ビブリオ感染症
,
病院救急医療サービス
,
情報サービス
,
皮膚疾患-感染性
,
軟部組織感染症
,
細菌培養
,
Vibrio vulnificus
,
細菌薬剤耐性
,
血液培養
,
Gram染色
Keyword:
Blood Culture
,
Emergency Service, Hospital
,
Information Services
,
Skin Diseases, Infectious
,
Vibrio Infections
,
Soft Tissue Infections
,
Drug Resistance, Bacterial
,
Vibrio vulnificus
pp.13-19
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018135919
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はじめに
医療における微生物検査の重要性を考える時,病原微生物の探索,ならびに疫学情報や感染対策への役割を示すことがある。一方,目の前にある臨床現場に対し,如何なる小さな情報であっても発信し患者の利益を追求する現場への役割がある。それを受ける医師はその情報を組み立て,そして患者の病態に結び付け対応をとる。患者より提供され分析された検査情報は,血液検査を含め総合的に判断される。救急医療では患者情報のない突発的な救命現場に遭遇することが少なくないため,微生物検査の重要性は後者として求められることが多い。
感染症は発生現場と病原微生物により予想される。要するに市中から持ち込まれた感染である市中感染と院内で発症したと想定する院内感染であり,救急医療とは言え,その両方を念頭に置いた判断が必要である。
今回,救急医療における微生物検査の重要性として,筆者の経験した救命を要する臨床参加と迅速な情報提供を目的とした機器使用経験について述べる。さらに,広島大学病院(当院)における救急科分離微生物と耐性菌検出の現状を,そして,最後に救急医療における臨床検査技師としてのイノベーションについて加える。
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