高齢者の感染症はこう診る-外来・病棟から在宅まで 高齢者で頻度の高い感染症 診断と治療各論
皮膚軟部組織感染症
中久保 祥
1
,
渋江 寧
1北海道大学病院 内科I
キーワード:
丹毒
,
皮膚疾患-感染性
,
蜂巣炎
,
筋膜炎-壊死性
,
軟部組織感染症
Keyword:
Cellulitis
,
Erysipelas
,
Skin Diseases, Infectious
,
Fasciitis, Necrotizing
,
Soft Tissue Infections
pp.769-772
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015016020
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高齢者は,皮膚の退行変化による局所の免疫力低下と,さまざまな要因による全身性の免疫力低下が重なり,皮膚軟部組織感染症(SSTI)を発症しやすい.高齢者のSSTIは,さまざまな要因から発見が遅れやすく,重症化しやすい.SSTIの多くは溶連菌と黄色ブドウ球菌が原因菌であるが,基礎疾患がある場合や院内発症では,グラム陰性桿菌,MRSAなどが関与してくる.溶連菌の一種であるStreptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis(SDSE)によるSSTIが増加傾向である.高齢者の蜂窩織炎は訴えに乏しいことが多く,見逃されやすい疾患であることに注意する.壊死性筋膜炎は急速に進行する致死的な病態であり,早期に疑い,早期のデブリードマンを行うことが重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2014