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内容のポイント Q&A
Q1 人工股関節の近年の進歩は?
人工股関節は1962年にChanleyによって開発されたlow friction torque arthroplastyの登場により劇的に臨床成績が向上し世界中に普及した.除痛効果と機能回復に優れた手技であり,多くの末期股関節症患者に対して生活の質の向上をもたらしてきたことから,20世紀で最も成功した手術と称されている.近年ではインプラントの性能向上とコンピューターテクノロジーの開発によってさらなる進化を遂げている.
Q2 人工骨頭や人工股関節全置換術の適応は?
人工骨頭は病変が大腿骨頭に限られる大腿骨頚部骨折と大腿骨頭壊死症が適応となるが,近年では両疾患とも人工股関節全置換術(THA)のほうが成績良好のため,増加傾向である.THAは保存療法で効果が不十分な股関節症に対してよい適応であるが,手術合併症のリスクも考慮して治療法を決定する必要がある.特に感染性疾患や神経疾患では合併症リスクが高いため,慎重な検討を要す.
Q3 アプローチの違いや脱臼のリスクは?
THAのアプローチは種々あるが,それぞれメリットとデメリットがあるので症例ごとに使い分けられる.近年では筋・腱を温存する最小侵襲手術(MIS)アプローチが普及しており,術後の機能回復にも有利であるとされるが,その効果は術後早期に限定され,長期的には有意性がない.脱臼リスクは後方アプローチでやや高く,前方系のアプローチでは低いと報告されている.
Q4 術後リハビリテーション治療のプロトコールは?
現代の手術手技やインプラントを用いた人工股関節において荷重制限は不要であり,機能回復や合併症予防の観点からも可及的早期の離床・歩行開始が望ましい.関節可動域の改善は生活動作および良好な歩容の獲得に重要だが長期間を要することがある.近年では入院期間が短縮される傾向にあり,入院中に十分な機能訓練が実施できない場合には退院後の機能回復を目指した自主訓練の指導が重要である.
Q5 機能予後は? どこまで運動してもよいか?
THA術後の機能回復は非常に良好で,痛みは術後1~3カ月で急激に改善し,その後1年をかけて生活動作や歩行機能が改善していく.仕事やスポーツは術前と同レベルで復帰可能と報告されており,術後にスポーツ活動に復帰する患者も珍しくないが,衝撃の強いスポーツではインプラントの摩耗や破損のリスクがあるため注意が必要である.

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