神経・筋疾患治療の最前線
3.リハビリテーション医に必要な脊髄小脳変性症の診断・治療の知識と近年の進歩
藤本 宏明
1
,
平松 佑一
1
,
宮井 一郎
1
1社会医療法人大道会森之宮病院神経リハビリテーション研究部
キーワード:
脊髄小脳変性症
,
多系統萎縮症
,
診断
,
治療
,
リハビリテーション
Keyword:
脊髄小脳変性症
,
多系統萎縮症
,
診断
,
治療
,
リハビリテーション
pp.168-176
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr035020168
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はじめに
脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration;SCD)は,小脳を中心に脳幹・大脳・脊髄・末梢神経等の神経組織が進行性に変性する疾患群である.主症状は小脳性運動失調であるが,パーキンソニズムや錐体路症状,感覚障害,自律神経症状等,多様な臨床像を呈する.わが国での推定有病率は18.6/10万人であり,その約1/3が遺伝性で,常染色体優先遺伝形式のものはSCA(spinocerebellar ataxia)と呼称される.SCA1, SCA2, SCA3, SCA6, SCA7, SCA17, DRPLA(歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症)はCAGリピートの異常伸長を伴うポリグルタミン病に分類される.孤発性SCDの約2/3は多系統萎縮症(multiple system atrophy;MSA)であり,小脳性運動失調優位のMSA-Cとパーキンソニズム優位のMSA-Pに分類される.残りは純粋小脳失調を呈する皮質性小脳萎縮症(cortical cerebellar atrophy;CCA)である.
SCDは現段階で根治的治療はなく,進行する症状の中で生活機能を維持するためにリハビリテーション(以下,リハ)の役割は重要である.本稿では,最近の診断・治療の進歩を概説し,リハのポイントを述べる.

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