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内容のポイント Q&A
Q1 歩行障害に対する経頭蓋磁気刺激療法の効果とその機序は?
脳卒中片麻痺・パーキンソン病・小脳疾患に対する反復経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation;rTMS)は,歩行速度や動的バランスの指標であるTimed Up and Go Test(TUG)を改善する.脳卒中に対する効果機序は,損傷半球の一次運動野(M1)下肢領域の促通や半球間抑制の是正である.パーキンソン病や小脳疾患への効果機序の検証は不十分だが,パーキンソン病では皮質-基底核-視床ループや前頭頭頂ネットワークの賦活,小脳疾患では小脳から一次運動野への抑制機能の改善が関与すると考えられる.
Q2 経頭蓋磁気刺激療法の実践方法は?
低頻度rTMS(1 Hz以下),高頻度rTMS(5 Hz以上),シータバースト刺激が用いられているが,いずれの疾患でも最適なパラメータは確立していない.刺激部位はM1下肢領域や小脳が多く,強度は安静時運動閾値もしくは随意収縮下運動閾値に基づいて設定される,1セッションあたりの介入時間は刺激周波数によって異なるが,1日1セッション,2~3週間継続して介入することで歩行機能が改善する.
Q3 併用するリハビリテーション治療は?
rTMS後に従来の運動療法を実施することで,rTMS効果を増強できる.運動療法としては,立位動的バランス練習や立ち上がり練習,歩行練習(平地歩行・トレッドミル歩行),下肢サイクリング運動が実施されている.また,パーキンソン病に対するrTMSと下肢筋への反復末梢磁気刺激を併用することで歩行機能が改善することが報告されている.
Q4 臨床での課題と将来展望は?
rTMSが歩行機能を改善させる報告は増加しているが,最適な刺激パラメータや神経生理学的機序の解明が不十分である.今後は,脳活動変化や運動学的指標を用いた詳細な検証により,歩行障害に対するrTMS効果のエビデンスを構築する必要がある.また,rTMS効果を最大限引き出すためには,セラピストによる適切な運動療法の実施が重要であると考える.

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