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内容のポイント Q&A
Q1 What? 子ども全体の発達に占める神経発達症の位置づけは?
神経発達症の概念は時代とともに変化しており,近年は自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;ASD)(コミュニケーションが苦手,こだわりが強い),注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)(不注意,落ち着きがない),限局性学習症(specific learning disorder;SLD)(読み書きが苦手,計算が苦手),発達性協調運動症(developmental coordination disorder;DCD)(不器用,運動が苦手)等,知的障害から独立した高次脳機能障害や運動機能障害へとシフトしている.
Q2 Who? 神経発達症の疑われる子どもにはどのような特徴があるか?
神経発達症のある子ども達の早期(幼少時期)の症状としては,①発達全般の遅れ,②運動発達の遅れ,③感覚敏感あるいは鈍感,④言葉の遅れ,⑤過活動や衝動性,⑥不注意,⑦社会的交流の欠如,⑧同じ行動を繰り返す,⑨かんしゃく,⑩夜中に何度も起きる,⑪偏食,⑫てんかん発作,等が挙げられる.
Q3 When? Where? いつから,いつまでを評価するのが適切か?
神経発達症のサインは,遅くとも5歳までの間にみられることが多い.たとえばESSENCE-Q等を用いて,5歳未満のなるべく早期に,神経発達症のサインの有無を判定することが望ましい.日々の生活において,周囲が感じる「何かおかしい」という違和感の存在が重要なことが多いので,発達が遅いか早いかにこだわり過ぎないほうがよい.
Q4 How? どのように評価し,リハビリテーション診療を行うべきなのか?
幼児期のスクリーニングとしては,日本語版Ages & Stages Questionnaires®,3rd Edition(J-ASQ®-3)が推奨され,発達の遅れが疑われたとき,5歳未満の乳幼児の場合は,新版K式発達検査を行うことが多い.5歳以上では,ウェクスラー式知能検査を実施することが多いが,ウェクスラー式知能検査を実施することが難しそうな児においては,田中ビネー知能検査を実施する.

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