集中講座 評価法の使い方 シリーズ2 各論(疾患別篇)⑩・第22回
神経発達症
橋本 圭司
1
Keiji Hashimoto
1
1昭和大学医学部リハビリテーション医学講座
キーワード:
神経発達症
,
発達検査
,
知能検査
,
スクリーニング
,
サイン
Keyword:
神経発達症
,
発達検査
,
知能検査
,
スクリーニング
,
サイン
pp.1005-1009
発行日 2021年10月10日
Published Date 2021/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202340
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「発達障害」の概念は時代とともに変化しており,国内では主に重度の知的障害や肢体不自由を合併した重症心身障害児を指して用いられた時期もあった.しかし近年の「発達障害」は,「神経発達症」と呼び方が変わり,世界的動向にならって自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;ASD,コミュニケーションが苦手,こだわりが強い),注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD,不注意,落ち着きがない),限局性学習症(specific learning disorder;SLD,読み書きが苦手,計算が苦手),発達性協調運動症(developmental coordination Disorder;DCD,不器用,運動が苦手)など,知的障害から独立した高次脳機能障害や運動機能障害へとシフトした1).
米国精神医学会が2013年に改訂したDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Fifth edition(DSM-5)では,従来の発達障害(developmental disorders)はneurodevelopmental disordersとされたが,その訳語として,さまざまな議論の末に「神経発達症」が採用されることになった.本稿では,神経発達症の診断までには至らずとも,発達の特性を評価する発達検査・知能検査,乳幼児期の発達遅滞のスクリーニング法や神経発達症のサインなどについて解説する.
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