特集 小児リハビリテーションの5W1H─超少子時代を迎えて
◉巻頭カラー 重度障害児の「今」を育み,「未来」を創るさまざまなテクノロジー
引地 晶久
1
1株式会社ユニコーン
キーワード:
重度障害
,
重症心身障害
,
テクノロジー支援
,
作業療法
Keyword:
重度障害
,
重症心身障害
,
テクノロジー支援
,
作業療法
pp.1316-1320
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr034131316
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はじめに
「何かできることを見つけたい」筆者が重度障害児,特に重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複している重症心身障害児の家族や支援者から相談を受けた際に,一番多く投げかけられる言葉である.重度障害児の身体の動きはとても小さく,その動きが随意的なのか不随意的なのかを判断することさえ難しい.表出できる反応も小さく,わずかな反応やバイタルサインからどうにか意思を汲み取れないかと悩みながらコミュニケーションをとっている.そんな重度障害児の生活は,ほとんどが受け身的なかかわりに留まっており,自身の力で何かをなすことは難しいと感じる場面も多いかもしれない.
しかし,どんなに重い障害であっても,たくさんの力や想いをもっていると筆者は確信している.そう確信をもてるようになったのは,かかわらせていただいた重度障害児の1人ひとりがたくさんの力を発揮し,未来につながる可能性を見せてくれたからである.そのかかわりの手段の1つとして,テクノロジー活用は筆者にとって欠かせないものとなっている.今回は,テクノロジー活用がどのように重度障害児のもつ力を育み,未来の可能性を創っていくのか,ぜひ覗いてもらいたい.

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