Japanese
English
臨床研究
転倒前骨折と考えられた非定型大腿骨骨折の5症例
Atypical Femoral Fracture considered as Pre-fall Fracture:Report of Five Cases
岡田 順
1
,
田口 潤智
1
,
笹岡 保典
1
,
佐藤 雅春
1
,
木下 雄介
1
,
庄盛 由紀夫
1
,
東谷 典史
1
,
藤田 悟
2
Jun Okada
1
,
Junji Taguchi
1
,
Yasunori Sasaoka
1
,
Masaharu Sato
1
,
Yusuke Kinoshita
1
,
Yukio Shomori
1
,
Norihumi Higashidani
1
,
Satoru Fujita
2
1宝塚リハビリテーション病院リハビリテーション科
2宝塚第一病院整形外科
キーワード:
非定型大腿骨骨折
,
転倒前骨折
,
転倒
,
骨粗鬆症
,
ビスホスホネート
Keyword:
非定型大腿骨骨折
,
転倒前骨折
,
転倒
,
骨粗鬆症
,
ビスホスホネート
pp.869-873
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034080869
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抄録
2019年から2023年の5年間に宝塚リハビリテーション病院回復期リハビリテーション病棟に入院した非定型大腿骨骨折(atypical femoral fracture;AFF)の手術後患者5症例において,その発症機転についての問診で,転倒に至る直前に患肢支持力が急に低下した自覚症状があり,その直後に転倒していた状況が聴取された.これら5症例のAFFは,転倒予防のみでは防ぎきれない転倒前リスクを有する転倒前骨折と考えられ,教訓的症例として報告する.この5症例の特徴として,ビスホスホネート製剤(BP)使用歴が5~19年と長期に及んでおり,患肢の前駆痛が3症例で自覚され,発症時X線画像では大腿骨転子下以遠の完全転位した大腿骨骨折とともに,その周辺での外側骨皮質肥厚が全例に認められた.これらの特徴は転倒前骨折のリスク要因を示唆するものであり,今後のリハビリテーション診療では,こうした予知的な特徴に留意して,AFFの予防を図っていきたい.

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