Japanese
English
特集 脊髄ニューロモデュレーションの現状
脳性痙縮に対するITB療法
ITB Treatment for Spasticity of Cerebral Origin
内山 卓也
1
Takuya UCHIYAMA
1
1近畿大学医学部堺病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kindai University, Sakai Hospital
キーワード:
痙縮
,
spasticity
,
髄腔内バクロフェン投与療法
,
intrathecal baclofen
,
脳由来
,
cerebral origin
Keyword:
痙縮
,
spasticity
,
髄腔内バクロフェン投与療法
,
intrathecal baclofen
,
脳由来
,
cerebral origin
pp.45-51
発行日 2018年1月25日
Published Date 2018/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200780
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はじめに
痙縮はさまざまな中枢神経障害により生じ,重度の痙縮は運動麻痺に過度の筋緊張が加わることにより随意運動や関節可動域に制限をきたし,患者の日常生活動作を低下させる.このような患者を対象としてバクロフェン髄腔内投与療法(intrathecal baclofen〔ITB〕療法)は,薬剤注入ポンプから髄腔内に直接GABAB受容体競合薬であるバクロフェンを投与することにより脊髄レベルで痙縮を軽減させることができる.
患者の痙縮の状態により,薬剤投与量や投与方法を調節することのできるニューロモデュレーション治療として導入され,その有効性や安全性から痙縮に対する重要な治療法として位置づけられている.
本邦でも2006年に導入されて以来,すでに1,700例を超える手術が行われ,認知度は広がっているが,ITB療法の適応となる疾患は脊髄損傷・脳血管障害・頭部外傷・痙性対麻痺・脳性麻痺など多岐にわたり,いまだ十分にこの治療の恩恵を受けていない患者がいると推察される.本稿では,痙縮の病態生理,脳由来の痙縮例に対するITB療法の適応,基本的手術手技,治療効果,今後の課題について解説する.
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