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内容のポイント Q&A
Q1 JRAT-RRTの創設とその背景とは?
JRAT-RRT(以下,RRT)は,災害発生時に地域のJRATの初動活動を支援するために創設された.これまでの災害対応で,初動活動が難しく多くの課題が指摘されており,それを解決するために各地域でマニュアル整備や人材確保が求められていたが,すべての地域で準備を整えるのは難しい.そこで,RRTが現地に赴き,地域JRATを支援するシステムを考案した.平成31(2019)年3月に研修会を開催し,53名がR-スタッフとして登録された.
Q2 RRTの役割と活動内容は?
RRTの主な役割は,①被災地域JRAT災害対策本部の立ち上げと運営,②被災地域JRAT災害対策本部とJRAT中央災害対策本部との連絡調整,③被災状況および避難所の情報集約,④その他の被災地支援である.R-スタッフは所属機関からの派遣という形で登録されており,災害救助法の発令前や都道府県からの正式な要請がなくても活動が可能である.現在,研修はオンラインで行われ,e-ラーニングとオンライン演習を通じて必要な知識とスキルを学んでいる.
Q3 令和6年能登半島地震におけるRRTの活動はどのようなものだったか?
令和6年の能登半島地震では,RRTの出動基準であるJRAT-EWSに基づきRRTの派遣が決定された.1月3日に緊急理事会で派遣が決まり,翌日にはR-スタッフが活動に参加するための手続きを行った.1月5日に第1隊が金沢市に到着し,現地災害対策本部や県庁で活動を開始した.その後,R-スタッフの人数は増え,情報収集・発信,資機材の確保,JRAT中央災害対策本部との連携強化等を行った.また,現地医療機関と連携しながら避難所の訪問も実施し,55名が派遣されて活動に貢献した.
Q4 RRTの成果と課題とは?
今回の活動で多くのR-スタッフが迅速に派遣され,役割を果たすことができた.また,経験者と非経験者が混在したことで,実際の災害現場で学びながら経験を積む機会となった.しかし,実務経験がないことに不安を感じるスタッフもいるため,スキル維持やレベルアップを図るための追加研修やコースの開発が必要である.
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