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内容のポイント Q&A
Q1 行政との連携は?
石川JRATは令和3(2021)年4月に石川県健康福祉部医療対策課への相談を開始した.その後,石川JRATの担当窓口として,中部ブロックDMAT実動訓練等の案内や協定締結のための協議が行われた.また,その他の地域行政機関や災害医療団体との交流を図った.令和6(2024)年能登半島地震発生後は,医療対策課内のDMAT対策本部で情報収集を開始し,県保健医療福祉調整本部の活動に参加した.1月8日に石川県とJRATの協定が締結されたことで,災害救助法の下でのJRAT活動を行うことができた.
Q2 本部機能の体制は?
1月3日,金沢医科大学病院に石川JRAT災害対策本部を設置し,1月5日からJRAT初動対応チーム(JRAT-RRT)が加わり体制を整え,13日に石川県リハビリテーションセンターに移転し「石川本部」とした.また,県保健医療福祉調整本部内にリエゾン活動を行う「県庁本部」,公立能登総合病院に能登地域の支援活動を統括する「七尾本部」,いしかわ総合スポーツセンターに1.5次避難所と一時待機ステーションの支援活動を統括する「スポセン本部」を設置した.
Q3 避難所支援の方法は?
避難所支援活動は,地震による道路の寸断や降雪により,安全な移動を確保するまでに時間を要し,活動拠点となる宿泊場所の確保にも難渋したため,支援地域を徐々に北上させた.地域JRAT部隊には,派遣前に活動規則や現地状況等をまとめた資料を送付し,石川本部にてオリエンテーションを行った.派遣先では,市町の活動拠点本部から指定された避難所を訪問し,依頼された活動を実施した.
Q4 1.5次避難,2次避難の体制とその問題点は?
いしかわ総合スポーツセンターには,1.5次避難所(メインアリーナ)と一時待機ステーション(サブアリーナ等)の2形態の避難所が設置された.管理運営が異なり,会議や避難者の情報管理および福祉用具の調達と管理が煩雑であった.また,2次避難所への移動ができず長期滞在を余儀なくされる高齢者が増加し,生活不活発病予防のための運動と作業活動を行う専用スペース(アクティビティセンター)の設置が新たに必要となった.
Q5 過去の震災と比較した能登半島地震における特徴は?
高齢化率の高い能登半島のほぼ全域が被災し,家屋倒壊に加え陸路・海路ともに交通網が寸断され,長期的に上下水道のライフラインが途絶え,孤立集落が多数発生した半島型地震被害であった.そのため,医療ニーズが高い方,妊産婦,乳幼児,介護・障害福祉サービス受給者や75歳以上の高齢者およびその家族を被災地以外の2次避難所へ積極的に避難させるために,初めて1.5次避難所が開設された.
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