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内容のポイント Q&A
Q1 平時における活動は?
2018年西日本豪雨災害の際,広島JRATは苦い経験をして,多くの課題が明らかになった.そこで,平時より定期的な会議を行い,中央JRAT,広島県,広島県医師会,JMAT等との連携を強化してきた.そして,広島県との協定締結を進めるとともに,災害時の福祉用具調達についても関連団体との協議を行ってきた.また,広島JRATの広報を行うとともに,災害リハビリテーションにかかわる人材の確保と育成に努めてきた.
Q2 派遣に向けての準備は?
令和6年能登半島地震発災後9日目に広島JRATからR-スタッフを現地に派遣した.広島JRAT第一次隊は広島大学病院のスタッフで構成することになり,災害派遣許可申請を行った.物品の準備を行うとともに,災害リハビリテーションに関する知識を再確認した.第二次隊以降の編成を協議し,各所属機関の長に災害派遣許可を得るよう指示した.第二次隊以降では,前隊から物品を引き継ぎ,活動内容に関する申し送りを受けた.
Q3 避難所における活動は?
広島JRAT第一次隊は医師2名,理学療法士2名,作業療法士,言語聴覚士の計6名のメンバーで構成され,2024年1月23〜28日まで令和6年能登半島地震の被災地で支援活動を行った.現地での主な活動場所は金沢市スポーツセンター,輪島市輪島地区,輪島市門前地区,珠洲市であった.広島JRATからは2024年3月末までに計6隊,延べ131名のリハビリテーション関連専門職を被災地に送り,支援活動を行った.
Q4 今後自県で発災した場合の課題は?
広島県と広島JRATとの協定締結協議を進めているが,現時点では協定締結に至っていない.また,広島県災害時医療救護活動マニュアルの中でJRATの役割が不明確なままであり,県の防災訓練への参加も行えていない.さらに,災害時の福祉用具の備蓄や調達方法も未解決のままである.広島県では広島JRATの意義と役割を啓発しているが,今後,広島県で発災した場合,これらの課題からさまざまな問題が生じる可能性があり,課題解決に向けた取り組みを早急に行っている.
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