リハビリテーション科医に必要な消化器疾患の知識と近年の進歩
4. 肝疾患
持田 智
1
1埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
キーワード:
肝炎ウイルス
,
肝硬変
,
肝不全
,
肝がん
,
MASLD
Keyword:
肝炎ウイルス
,
肝硬変
,
肝不全
,
肝がん
,
MASLD
pp.1123-1128
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033111123
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はじめに
肝疾患は急性と慢性に分類され,急性肝炎と肝硬変がそれぞれの代表疾患である.いずれも重症化ないし進行すると,肝予備能が低下して肝不全に陥り,黄疸,浮腫,血液凝固異常等の症候が出現する(図1).慢性肝疾患は進行すると肝線維化に伴って門脈圧が亢進するため,食道胃静脈瘤等の消化管病変も併発する.また,門脈圧亢進と肝不全が相まって,腹水,肝性脳症等もみられるようになる.さらに,慢性肝疾患では肝がんの併発にも注意しなければならない.肝不全には低栄養とサルコペニアが影響する.このため肝疾患の診療では,栄養療法とともに運動療法が重要で,肝臓リハビリテーションの普及が求められている.
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