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内容のポイント Q&A
Q1 在宅医療の概略は?
在宅医療は年齢・疾病を問わず,一人では通院困難な患者が対象となる.多くは高齢で,複数の併存疾患があり,フレイルや,摂食嚥下障害等の機能障害も併せもつ.在宅医療は地域の多職種で協働して行うが,本人や家族もその一員であり,本人の自立度や家族の介護力も踏まえた生活全般の支援を考える必要がある.また,患者のLIFE(生命・生活・人生)に寄り添い,意思決定支援を行い,ACP(advance care planning)に基づいて療養方針を決めていく医療である.
Q2 緩和ケアの概略は?
生命を脅かす病による苦痛が,患者やその家族のQOLを低下させている場合,緩和ケアが必要である.身体的,精神的,社会的苦痛,スピリチュアルペインを含む全人的苦痛を対象とし,チーム医療による包括的ケアを提供する必要がある.患者の苦痛に対する症状緩和と,家族へのケアが重要となる.
Q3 フォローすべき症状や検査は?
在宅での疾患管理は,バイタルデータや,体重等のセルフモニタリングが基本となる.心不全増悪の目安となる数値や症状を事前に指導し,クリニックへ連絡するよう伝える.在宅へ訪問する多職種でもモニタリングし,心不全増悪徴候の早期発見に努めることが重要である.
Q4 在宅医療の多職種介入の実際は?
ACPに沿って,多職種が専門性を活かして介入し,協働で患者とその家族を支援する.
(事例紹介)カテコラミン依存状態で自宅退院した症例に対し,多職種チームで支援し,心不全の増悪なくカテコラミンを離脱し,本人の希望である「家族との旅行」という目標に向けてADLを拡大することができた事例を示す.
Q5 緩和ケアの多職種介入の実際は?
終末期の患者が抱える苦痛を多職種で聞き取り,薬物的・非薬物的な身体的苦痛の症状緩和に加え,全人的苦痛に対して包括的ケアを行う.家族支援も重要な要素となる.
(事例紹介)終末期心不全で在宅看取りを希望する患者の,苦痛緩和と,やりたいことを叶えるために多職種で支援した事例を示す.
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