各都道府県における自動車運転に関する公安委員会提出用診断書の書き方―脳卒中関係
3. 兵庫県における脳卒中後の運転再開の流れと医師の役割
冨士井 睦
1
1兵庫県立リハビリテーション中央病院 リハビリテーション科
キーワード:
安全運転相談
,
脳卒中
,
頭部外傷
,
高次脳機能障害
,
自動車運転
Keyword:
安全運転相談
,
脳卒中
,
頭部外傷
,
高次脳機能障害
,
自動車運転
pp.359-364
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033040359
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はじめに
道路交通法第90条および同法施行令第33条には,統合失調症,てんかん,再発性の失神,無自覚性の低血糖症,躁うつ病,重度の眠気の症状を呈する睡眠障害,その他の精神障害,脳卒中,認知症,アルコールの中毒者等は運転免許が与えられない,もしくは保留される可能性のある疾患として挙げられている.したがって脳卒中や頭部外傷を診察した医師は,患者に運転再開の希望がある場合は,「再開までにどのような手続きを踏んだらよいかについては公安委員会の安全運転相談窓口に確認してください」と答えればよい.しかし多くの場合,その後しばらくして公安委員会提出用診断書(以下,診断書)に主治医として運転を控えるべき状態かどうかについての意見を記載するよう求められる.したがって実際に患者が運転を再開するには,少なくとも主治医が病状的に運転を控えるべき状態にはないと判断していないと再開はできないことになる.
本稿では現在の兵庫県における脳卒中発症後の自動車運転再開までの流れと,運転免許課に伝達すべきポイントを含めた診断書記載上の注意点,そしてその他の注意点について述べる.
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