リハビリテーション科医師に必要な診察,評価手技
2 神経学的所見(反射, 各種検査)
服部 憲明
1
1富山大学学術研究部医学系リハビリテーション科
キーワード:
医療面接
,
神経学的検査
,
反射
,
運動失調
Keyword:
医療面接
,
神経学的検査
,
反射
,
運動失調
pp.354-358
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033040354
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はじめに
リハビリテーション診療において神経学的所見をとる主な目的は,患者の神経系の障害を正確に評価し,その情報を基に適切なリハビリテーション治療を行うことである.ICF(国際生活機能分類)で考えると,心身機能・身体構造に関して,神経学的所見は運動機能,感覚機能,協調運動等,脳神経系の機能の情報となり,患者の現在の活動や参加における問題の要因を分析する手がかりとなる.神経症状の回復を目指すには,神経学的所見に基づいて,患者に合わせた具体的で達成可能なリハビリテーション治療の目標を設定することが必要になる.治療開始後も,神経学的所見を継続的にとることで,経過を客観的にモニタリングできる.回復が予測と異なるものであれば,原因を検討し,治療計画を修正する.また,神経症候について,それが生じた病態生理とともに患者や家族に説明することで,自分自身の状態や治療,予後に関する理解を促し,患者の積極的な治療への参加につながる.
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