認知症の基礎知識とリハビリテーション
10. 認知症の治療介入における倫理的ジレンマ
箕岡 真子
1
1日本臨床倫理学会総務担当理事,箕岡医院院長
キーワード:
倫理的ジレンマ
,
自律尊重原則
,
意思決定能力
,
インフォームドコンセント
,
倫理的に適切な意思決定プロセス
Keyword:
倫理的ジレンマ
,
自律尊重原則
,
意思決定能力
,
インフォームドコンセント
,
倫理的に適切な意思決定プロセス
pp.349-352
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033040349
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はじめに
超高齢社会の到来とともに,認知症の人の数も増加し,それに伴って身体疾患を合併する認知症の人も増加する.認知症に骨折等の外傷,ロコモティブシンドローム,脳血管障害,心不全,呼吸不全等の合併は,リハビリテーションの必要性が増す.
認知症においては, 認知機能の低下に伴って, 2つのジリツの障害,すなわち自立(independence)の障害「自分のことを自分でできない」,および自律(autonomy)の障害「自分のことを自分で決めることができない」をきたす.特に倫理的に問題となるのは自律(autonomy)にかかわるジレンマであり,リハビリテーションの治療目標の設定や,本人の望むQOLに関する話し合いにおける倫理的配慮は重要である.本稿では,自律の概念の具現である,治療介入時におけるインフォームドコンセント,および倫理的に適切な意思決定プロセスについて述べる.
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