Japanese
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特集 視覚失認
視覚失認理論の展望
Optische Agnosien: Eine Übersicht
大橋 博司
1
Hiroshi Ohashi
1
1京都大学医学部精神神経科
1Psychiat. u. Nervenklinik der Universität Kyoto
pp.361-366
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203400
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神経心理学懇話会も回を重ね,種々のシンポジアをもってきた。今回は視覚失認の問題がとり挙げられたが,視覚失認は失認症状の中で最も大きい位置を占めるものであり,1回のシンポジウムで論じつくされるかどうかも問題であろう。このうち例えば純粋失読についてはすでに第3回シンポジウム(東京)で漢字—仮名問題が詳細に論じられたので今回の論題からはずされ,また視空間失認も特異な位置を占めるので,いずれ別の機会に論じられることになろう。
さてこのたび私に与えられた課題は「視覚失認論の展望」という“didactic lecture”である。従って失認概念の歴史的発展と分化のあとをごくかいつまんで「展望」することにしたい(展望Übersicht→übersehenというドイツ語には展望するという意味の他に“見落す”とか“大眼にみる”という意味もあるので,私の「展望」に多くの見落しがあってもおゆるしいただきたい)。
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