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人間の視覚は大脳のレベルでどのような仕組になっているかを研究する方法の一つとして,従来から,大脳のどの部分の破壊で,どのような視覚障害が生ずるかが検討されてきた。ここでは,大脳で起こる視覚障害のうち,視力,視野,色覚などのいわゆる要素的な障害ではなく,より高次な障害である視覚失認について,論じたいと思う。
大脳の損傷で生ずる視覚障害の研究者は,近年,視覚過程を三つに分けることが多い。第一段階は,光覚,色覚,視力などが成立する段階である。第二段階は,形の知覚が行なわれる段落で統覚といわれる。第三段階は,形に意味を付する過程で,連合といわれる。このような説の根拠になっているのは,第一段階の障害が存在することと,第二段階の障害である統覚型視覚失認,および第三段階の障害である連合型視覚失認の存在が考えられることである。初めに,統覚型視覚失認から述べ,その症状,責任病巣,問題点を論ずることとする。
Abstract
To clarify the problems of visual agnosia in future studies, it is desired that the tests employed are described in its detail. The information con-cerning the number of errors of each test should be provided.
In the case with apperceptive agnosia, the elementally visual functions should be thoroughly examined. To examine the case with associative agnosia, the same-different judgement test and the categorization test should be standardized.
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