特集 CKD栄養管理のための最新情報
[Column]サプリメント・健康食品の考え方
羽深 将人
1
,
蒲澤 秀門
2
,
細島 康宏
2
Masato Habuka
1
,
Hideyuki Kabasawa
2
,
Michihiro Hosojima
2
1新潟県立新発田病院 腎臓内科
2新潟大学大学院 医歯学総合研究科 腎研究センター 病態栄養学講座
キーワード:
健康被害
,
有害事象
,
薬剤性腎障害
,
紅麹サプリメント
Keyword:
健康被害
,
有害事象
,
薬剤性腎障害
,
紅麹サプリメント
pp.202-206
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn147020202
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はじめに
国民の健康志向の高まりにより,健康食品はドラッグストアやインターネットなどで容易に購入できることから売り上げは増加している.一方で,健康食品の利用拡大にともない,健康被害の発生が懸念されている.2024年初春,紅麹サプリメントを摂取した人から腎機能障害を含む健康被害が相次いで報告された.製品の自主回収とともに,関係省庁が原因を調査した結果,製造段階で混入した青カビが産生したプベルル酸が腎機能障害の原因物質であったと公表された1).この公表は,健康食品そのものではなく,あくまでも製造管理の問題であると印象付けられた.しかし,健康食品は医薬品ではないがゆえに制度そのものの問題も多く,今回の事例を機に改めてわれわれ医療者は健康食品の問題点について認識しておく必要があると筆者は考える.
本稿では,健康食品の利用状況と問題点,健康食品と腎臓病,紅麹サプリメントによる腎機能障害,腎障害を疑ったときに医療者が行うべき診察・検査について自験例を含めて解説する.

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