スポット
妊娠糖尿病患者における妊娠中の体重管理
山下 晶穗
1
Akiho Yamashita
1
1国立病院機構熊本医療センター 栄養管理室/熊本大学大学院 医学教育部 臨床国際協力学講座
pp.154-156
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn147020154
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はじめに
日本における低出生体重児の発症頻度は,他の経済協力開発機構(OECD)加盟諸国と比較し顕著に高い1).主な要因は,妊娠前の低体重と妊娠中の不十分な体重増加量であると推測されている2,3).在胎相当体重児と比較し,低出生体重児では成人期の2型糖尿病発症リスクが約2.3倍4),心血管疾患発症リスクが約1.2倍5)と報告されている.
そのため,日本では日本産科婦人科学会が2021年3月に適切な妊娠中体重増加量に関する新しい指針を発表した6).改訂された「妊娠中の体重増加指導の目安」は,低出生体重児,巨大児,在胎34週未満の出産,器械分娩,緊急帝王切開分娩,妊娠高血圧腎症の複合アウトカムについて発症リスクがもっとも低くなる妊娠中体重増加量をもとに作成している6).

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