原著
糖尿病合併妊娠,妊娠糖尿病における母体の妊娠前BMI,妊娠中インスリン量,妊娠中体重増加率と児出生体重との相関についての検討
林 彤
1
,
正本 仁
1
,
青木 陽一
1
1琉球大学大学院医学研究科環境長寿医科学女性・生殖医学講座
pp.725-729
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102684
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妊娠糖尿病(GDM)およびII型糖尿病妊婦の妊娠前体格,妊娠中体重増加,インスリン量と児出生体重の関連を検討するため,正期産のGDMおよびII型糖尿病例56例を対象とし,母体の妊娠前BMI,妊娠全期間を通じての体重増加量,1週あたりの体重増加率,インスリン1日量,児出生体重の相関をそれぞれ検討した.
その結果,母体妊娠中体重増加量と増加率は児出生体重と相関したが,妊娠前BMIは児出生体重と相関しなかった.インスリン治療例において,インスリン量は母体体重増加量,増加率と相関したが,妊娠前BMI,児出生体重とは相関しなかった.
GDMやII型糖尿病の妊婦では,妊娠中の母体体重管理が巨大児分娩の予防やインスリン量の減量に有効である可能性がある.巨大児の予防を目的とした妊娠中の至適体重増加量,増加率の設定には,日本人を対象とした検討が必要であることが示唆された.
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