特集 妊娠中の体重管理と栄養
妊娠前・妊娠中のボディイメージと体重増加の関係から,体重管理のあり方を考える
白石 三恵
1
,
倉嶋 優希
2
,
原田 梨央
3
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻医学部保健学科
2東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
3社会福祉法人石井記念愛染園附属愛染橋病院産婦人科病棟
pp.236-243
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202148
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「ボディイメージ」とは何か
自分の身体に対する認知・感情・態度
ボディイメージとは,「自分の身体に対して各個人が持っている認知・感情および態度の複合体である」とされている1)。これは,顔・髪・皮膚・身体・体型などさまざまな「身体」に対する認知・感情・態度を含み,幅広い概念である。この中で,妊娠中によく注目されるのは,体重や体型に対するボディイメージである。その理由として,妊娠中は,短期間に体重・体型の急激な変化を経験する特異な時期であることが挙げられる。
体重や体型に対するボディイメージにも,さまざまな概念が含まれる。その主なものは,自身の体型をどのように認識しているか,理想の体型と自身の体型との認識のギャップ,体型満足・不満足,痩身願望である。例えば,体型満足・不満足については,妊娠を機に,妊娠前に持っていた体型不満が解消される女性もいれば,体型満足から不満に転じる女性もいる。
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