連載 カンファランスで学ぶ NST難症例ケーススタディ⑥〈隔月連載〉
栄養補助飲料による栄養管理に至った認知症末期高齢者患者の一例
社会福祉法人浴風会 浴風会病院 NST・摂食嚥下支援チーム
キーワード:
摂食嚥下機能障害
,
栄養補助飲料
,
嚥下造影検査
Keyword:
摂食嚥下機能障害
,
栄養補助飲料
,
嚥下造影検査
pp.928-931
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn145070928
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ケースサマリー
症例は90歳,女性.特別養護老人ホームに入所されていた.認知症により摂食機能に低下が認められ,誤嚥性肺炎での入院歴があり,ミキサー食とゼリー食を組み合わせた食事を提供されていた.発熱と酸素飽和度の低下が認められ,誤嚥性肺炎の再発が疑われ当院を受診された.血液検査では軽度の感染・炎症反応とともに低アルブミン血症が認められ,胸部CT画像検査では陳旧性炎症性瘢痕のほかに気管内喀痰貯留や下葉気管支に閉塞部位が認められたことから,軽度の誤嚥のイベントが反復した可能性が考えられた.入院後,気管支炎の治療ののち,摂食嚥下の間接訓練を行いつつ,ゼリー食による直接訓練を開始したところ,1日500 kcalの提供量でも安全に食べることがむずかしく,誤嚥を再発してしまうことが判明.嚥下造影検査を行い,安全な食事形態として,ゼリー食より流動性の高い食品であれば誤嚥のリスクが軽減されると判断した.とろみを付けた栄養価の高い栄養補助飲料を食事とすることで無事退院につながった.
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