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第5土曜特集 臓器連関が解き明かす疾患の深層
臓器連関と神経疾患
免疫系による脳内炎症制御
Immune-mediated regulation of neuroinflammation
伊藤 美菜子
1
Minako ITO
1
1九州大学生体防御医学研究所アレルギー防御学分野
キーワード:
免疫細胞
,
脳梗塞
,
神経発達障害
Keyword:
免疫細胞
,
脳梗塞
,
神経発達障害
pp.753-757
発行日 2026年8月29日
Published Date 2026/8/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298090753
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中枢神経系は免疫系から隔絶された臓器ではなく,ミクログリアやアストロサイトなどの脳内細胞と,髄膜,血管周囲腔,脈絡叢などの脳境界部,末梢免疫が連携して炎症と恒常性を制御している.脳内炎症は単なる病的反応ではなく,神経系と免疫系が相互に情報を交換しながら,脳の恒常性,発達,修復を調節する動的な生命現象である.免疫細胞やサイトカインは状況によって神経障害を促進する一方,炎症の収束,組織修復,神経回路の成熟や再編にも関与する.したがって重要なのは,免疫応答を一律に抑制することではなく,病期や脳領域,細胞種に応じて,その働きを適切に制御することである.脳梗塞や発達障害における知見は,免疫系が病態形成因子であると同時に,脳の回復や成熟を支える調節機構でもあることを示している.今後は,神経系と免疫系の相互作用を統合的に理解し,疾患ごとに有害な炎症を抑えつつ,保護的・修復的な免疫機能をいかす治療戦略の構築が求められる.

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