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特集 認知症治療の最前線と展望
多因子介入による認知症予防
Preventing dementia through multifactorial interventions
古和 久朋
1
Hisatomo KOWA
1
1神戸大学大学院医学系研究科健康科学専攻リハビリテーション学講座
キーワード:
認知症
,
修正可能危険因子
,
予防
,
多因子介入
,
社会実装
Keyword:
認知症
,
修正可能危険因子
,
予防
,
多因子介入
,
社会実装
pp.167-171
発行日 2026年4月11日
Published Date 2026/4/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu297020167
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世界的な高齢化の進展に伴い,認知症患者数は今後さらに増加すると予測されている.認知症は本人の生活機能とQOL(生活の質)を低下させるのみならず,家族・介護者への負担や医療・介護資源への影響も大きく,社会全体にとって重要な健康課題である.近年,認知症の危険因子の中には修正可能なものが少なくないことが明らかとなってきた.Lancet Commissionでは,教育期間の短さ,難聴,高血圧,肥満,糖尿病,運動不足,うつ病,社会的孤立などが認知症発症に関与すると報告されている1,2)(図1).これらはライフコース全体を通じて累積的に作用し,特にアルツハイマー病(AD)では臨床症状出現の20年以上前から脳内変化が始まると考えられている.そのため,認知症予防は高齢期のみならず,中年期以前から危険因子を管理する視点が重要である.修正可能危険因子に加えて,より積極的に介入を行うことで,認知症予防を目指す研究も実施されてきた.なかでも現在,最もエビデンスが集積しつつあるのが多因子介入である.本稿では,認知症の修正可能危険因子と予防の考え方を概説したうえで,FINGER研究を中心に,その世界展開,日本における研究,さらにJ-MINT PRIME Tamba研究の社会実装の可能性について述べる.

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