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特集 花粉症治療の最新情報――「鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版」を踏まえて
花粉症発症の抑制 マスクの効果
-――小学生に急増するスギ花粉症から逃げ切る⁉取り組み
Effects of face masks in preventing the onset of pollinosis
――Strategy for running away from Cedar pollinosis, to protect elementary school students from refractory disease
坂下 雅文
1
Masafumi SAKASHITA
1
1福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
スギ花粉症
,
マスク
,
予防
,
アプリ
,
社会実装
Keyword:
スギ花粉症
,
マスク
,
予防
,
アプリ
,
社会実装
pp.495-499
発行日 2025年8月16日
Published Date 2025/8/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294060495
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アレルギー疾患は世界中で増加しており,およそ半数の人口が何らかのアレルギー疾患を有しているといわれている.アレルギー性鼻炎も同様であり,わが国ではスギ花粉症が増加傾向を示しており,国民の約4割に達している.抗原量の増加,遺伝背景,大気汚染の増加が原因となっており,特に小学生の年齢からの増加が著しいことが課題である.いったん発症すると自然寛解は難しい一方,成人まで感作,発症を防ぐことができれば,以降の新規発症は限定的である.「鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版」には,抗原の回避,除去はひとつの治療の柱であることが明記されており,マスク着用習慣による発症予防,重症化予防は重要である.コロナ禍の新しい生活様式の際に行った疫学調査では,マスク着用習慣によるスギ花粉症の予防方法が示唆された.DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む教育現場において,アプリを用いたマスク着用習慣を社会実装するための試験運用を通じて,学会が進める花粉症重症化ゼロを達成する試みを紹介する.

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