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第5土曜特集 革新する腎臓病学――臨床と研究の最前線
緒論・総論
腎臓病学の歩みと今後の方向性
Journey of nephrology
――The evolution and future directions
柏原 直樹
1
Naoki KASHIHARA
1
1川崎医科大学高齢者医療センター
キーワード:
Kidney health
,
精密医療
,
人工知能(AI)
,
大規模言語モデル(LLM)
,
デジタルツイン
Keyword:
Kidney health
,
精密医療
,
人工知能(AI)
,
大規模言語モデル(LLM)
,
デジタルツイン
pp.332-339
発行日 2026年1月31日
Published Date 2026/1/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296050332
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本稿は,日本における腎臓学,腎臓病学の歴史的発展と今後の展望を概観するものである.半世紀にわたり腎臓病の病態解明,透析・腎移植技術,慢性腎臓病(CKD)概念の確立,分子生物学的手法の導入による創薬標的の同定などが進展した.オミクス解析の普及,単一細胞解析や空間トランスクリプトミクスなどにより,腎疾患像は精緻化された.糖尿病性腎症(DN)やIgA腎症の病態理解の深化は,SGLT2阻害薬,補体阻害薬など新規治療薬の登場を促し,再生医療の基盤も形成されつつある.今後は,予防医学,精密医療,人工知能(AI)や大規模言語モデル(LLM)の活用,国際共同研究が重要となり,患者中心医療と社会的課題への対応を統合した戦略が求められる.2026年に横浜で開催される世界腎臓学会議(WCN)は,国際的プレゼンス向上の好機であり,持続的発展と次世代への継承が期待される.日本腎臓学会の活動は4つの次元に集約されるであろう.①学術研究力の卓越性を追求する(垂直軸),②他学会・他職種との連携,社会における公益活動による裾野の拡大(水平軸),③海外学会との紐帯の強化(山脈の形成),④次世代への継承,山容の大きなkidney society,communityを形成したい.腎臓病克服へのjourneyは続く.

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